法学部には演習(ゼミ)形式の授業があります。法学科では、1年次配当の「法政導入演習」、2年次配当の「法政基礎演習」、3・4年次配当の「演習1・2」が、国際公共政策学科では、2年次以上配当の「セミナーⅡ~Ⅳ」が、これにあたります。このほか外国語を使って専門的に学ぶために、法学科では「外国語文献研究」が、国際公共政策学科では「Project Seminar in English」などが、それぞれ演習形式の授業として開講されています。
法学・政治学・経済学は体系的な学問ですから、一連の講義を通じてその体系全体を学ぶことがどうしても必要です。けれども、大きな教室での一方的な講義では、ややもすると学習の姿勢が受動的になりかねません。それを補うのが演習やセミナーなのです。これらの授業は、講義で学んだ知識を定着させ、具体化し、応用可能なものにするという目的をもっています。
演習形式の授業は基本的に少人数で行われます。授業の進め方は科目によって異なりますが、多くの場合、学生が自ら調査・研究したことを報告し、その報告内容について全員で議論するという形式をとります。このため学生には、自ら主体的に学習に取り組むことが求められます。報告者は、ほかの人が理解できるように、わかりやすく報告しなければなりません。また、議論を有意義なものとするには、ほかの人の話をよく聞き、その内容を理解したうえで、自らの意見を論理的に述べる必要があります。これらを通じて、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を高めることができます。
このようにいうと難しく聞こえるかもしれません。しかし心配はいりません。まず1年次の「学問への扉」、「法政導入演習」で、演習形式の授業の受け方を学びます。具体的には、文献などの調べ方や、報告の際のレジュメの作り方、議論の仕方、小論文やレポートの書き方について学びます。そして実際に、演習形式での報告と討論、小論文の作成に取り組みます。ここでの学習、経験を踏まえて、2年次以降、特定の専門分野の演習やセミナーを履修していくことになります。
演習形式の授業には、先生やほかの学生と近い距離で学べるという利点があります。大教室ではちょっと勇気のいる質問も、小さなセミナー室でなら気軽にできます。理解できないのは自分だけかと思っていたら、ほかの人も同じような疑問をもっていることがわかってほっとするというのも、少人数の授業ならではの経験です。演習形式の授業を通じて得られる先生や友人とのつながりは、きっと一生のものになるでしょう。演習やセミナーには、豊かな人間関係を築くという目的もあるのです。