教員からのメッセージ
法的思考を身につけ、現代社会で生き抜く力をつかむ

法学部で学ぶ意義は何でしょうか。私はなんとなく法曹に憧れて法学部に入りましたが、学部時代はドイツ語の勉強ばかりしていました。そのような大学生活が職場からのドイツ派遣へと繋がり、ドイツの大学で学ぶこともできました。様々な大学で学び、様々な職場で法律実務に携わった結果、自分の専攻は刑法だと確信できるようになりました。今では、国内の刑法学者だけでなく、ドイツで知り合ったヨーロッパやアジア諸国の法学者などと、幅広く学術交流をしています。そのときの共通言語は、「法学」であると感じています。外国語を完璧に使いこなせなくても、「法的思考を共通して持っていれば、話が通じる」という経験を何度もしました。法学部で学んだからこそ、法学を学んだ者には通じる専門用語、論理、法的思考といったものを身につけることができたのだと思います。
では、「法的思考」とは何なのでしょうか。「法」とは、私たちが守るべきルールであると考える人がいます。もし、ルールをただ守るだけであれば、法的思考は必要ないのかもしれません。しかし、「法を犯しさえしなければ問題ない」のではなく、「何のための法なのか」を考え、行動する必要があります。このように「法」の実質を考えるために役立つツールの一つが法的思考であるといえます。法学は独学で本を読んでも学べますし、法律の重要性は社会に出てから実践で学ぶことも多いです。しかし、現代社会を生き抜くにあたって、問題に直面してから対処するのではなく、基礎となる法的思考が身についていれば、未知の問題でも自ら考え、解決の糸口をつかみやすくなるでしょう。そのためには、六法科目だけでなく、基礎法、教養科目、政治学などの隣接分野も含め、幅広い視野でじっくり時間をかけて学ぶことが必要です。関心の赴くままにいろいろな授業を受けて、ゼミに出て、教員やゼミ生と議論してみてください。そのような有意義な時間を過ごせば、法的思考が身につき、自然と自信がつき、皆さんの将来の選択肢を広げてくれると思います。大阪大学法学部には、それを実現できる素晴らしい環境が整っています。ともに学び、議論できる日を楽しみにしています。
高等司法研究科 山中 純子 准教授

