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法学部の紹介

教員からのメッセージ

視野を広げるためにさまざまな時代・社会の法に触れよう

法学科
坂口一成 准教授

法学科 坂口一成 准教授法学科 坂口一成 准教授

法の典型的な形態として思い浮かべるのは、他人の物をわざと壊した場合は刑罰を受けなければならない(刑法)、あるいは弁償しなければならない(民法)、などではないでしょうか。法はこのように、「一定の要件に該当する事実があれば、一定の効果が発生する」という要件-効果の条件式で、社会のさまざまな問題を解決しようとします。そして、そうした条件式の理解(特に要件の解釈)が法律学の学習の中心となります。

他方、私は中国法を研究しています。中国という国の政治的・経済的プレゼンスとは裏腹に、「中国法」は法学の中では周縁に位置します。それは端的に、そこから何か直接的に役立つことを得られそうにはないと考えられているからだと思います。日本のほとんどの大学に中国法の授業がないのはこのためでしょう。

しかし、視野を広げて多角的に物事を考えるためには、多様な考え方に触れる必要があります。こうした視点から考えれば、中国法は優良な素材の1つであると思われます。公称で56の民族からなる13億人の人口を擁する大国が、少なくとも大きな混乱がなく、概ね安定した秩序を形成しています。これだけでもすごいことです。しかも、そこでの法のあり方や考え方は、日本とはずいぶん異なります。まさに日本にとっては「発想の宝石箱や~」と言えるでしょう。さらにその政治的・経済的プレゼンスを考えれば、その重要性は一層高まるでしょう。

しかし、視野を広げて多角的に物事を考えるためには、多様な考え方に触れる必要があります。こうした視点から考えれば、中国法は優良な素材の1つであると思われます。公称で56の民族からなる13億人の人口を擁する大国が、少なくとも大きな混乱がなく、概ね安定した秩序を形成しています。これだけでもすごいことです。しかも、そこでの法のあり方や考え方は、日本とはずいぶん異なります。まさに日本にとっては「発想の宝石箱や~」と言えるでしょう。さらにその政治的・経済的プレゼンスを考えれば、その重要性は一層高まるでしょう。

みなさんの入学を「熱烈歓迎」します。

法学科 坂口 一成 准教授

専門性と高度な教養を結びつける場

国際公共政策学科
松本 充郎 准教授

国際公共政策学科 松本 充郎 准教授国際公共政策学科 松本 充郎 准教授

国際公共政策学科では何を学べるのでしょうか。私の答えは、「社会が抱える問題について解決の筋道を学ぶことができる」です。そのような「筋道」としては、4つの段階を考えています。「第1に、自分自身の専門から問題を発見し、原因を明らかにする。第2に、原因に対応した解決策を示す。第3に、他の分野の知見を踏まえて解決策を見直す。最後に、子供に残したい社会をイメージしながら試行錯誤する」です。

例えば、東日本大震災後の日本のエネルギー政策のあり方を提言するためには、どのような筋道で検討を進めるべきなのでしょうか。エネルギー源には、火力・水力・原子力・再生可能エネルギーがあります。エネルギー源を選択する場合には、供給の安定性・コスト・安全性を考慮して、一番ましな組み合わせを考えるべきです。しかし、原子力発電の安全性の基準という問題に絞っても、原子力工学・土木工学の専門家と地震学の専門家の見解は一致していません。安全性の基準は、奥尻島の津波や新潟県中越沖地震などを経ても見直されることなく東日本大震災を迎え、日本は深刻な原子力発電所事故を経験しました。震災後も、現場とデータの照合はできておらず、事故原因が十分に究明されたとは言えません。裁判でも、「安全性」の法的評価として、「人格権侵害の具体的可能性の証明」や「原子炉設置許可基準や運用の合理性」など、深刻な課題を突き付けられています。事故発生時の避難計画をきちんと作ることも大きな課題です。事故処理費用の見積もりも、経済学及び原子力工学の専門家の間でも、廃炉・汚染水処理と賠償・除染を含めて、3倍ほど評価が異なります。原子力政策全般では、使用済み核燃料の再処理により発生するプルトニウムの使い道や高レベル放射性廃棄物の最終処分場の設置、自主避難者の法的位置づけなど、ほとんどの課題が学際的かつ論争的です。論争的でないのは、日本がエネルギー産業の自由化と気候変動対策に取り組まなければならないことぐらいです。その他の点については、専門家の議論が分かれている中で、エネルギー政策を修正しなければなりません。

国際公共政策学科では、法学・政治学・経済学などの社会科学から問題を掘り下げて考えるための筋道を学ぶことができます。また、大阪大学全体では、専門外の知見の争点を見つけ出す「高度な教養」を重視しています。この場が、専門性と高度な教養を結び付け、次世代を見据えた政策判断を行うための、教員や仲間との訓練の場となれば幸いです。

国際公共政策学科 松本 充郎 准教授