私は、大学3年生の2月からハンガリーのエトヴェシュ・ロラーンド大学に約1年間交換留学をしました。コロナ禍の中で本当に渡航できるかもなかなか分からず、留学中はロシアが隣国のウクライナに侵攻するなど不安なことがありましたが、様々な方のご支援のおかげで1年間滞在することができました。
大学では、週に90分の授業を大体10コマとりました。授業はレクチャーとセミナーに分かれており、レクチャーは200人ぐらいの大人数で聞く講義形式の授業で、セミナーは15人ほどの少人数のディスカッション形式の授業です。一つの授業当たり毎週50ページほどのリーディングを予習で課されます。成績は殆どのクラスがオンラインで実施される試験かエッセイ課題に基づいて評価されました。メンター制度がボランティアで実施されており、留学生1人に1人のメンターがついてくれます。履修方法など分からないことがあればメンターの方に聞くことができました。
エトヴェシュ・ロラーンド大学ではサークル・クラブ活動などは活発ではなく、大学の友人作りはクラスメイトと仲良くなるか留学生用のイベントに参加する手段が主でした。初めの1セメスター目は授業が全てオンラインで友人作りに苦労しました。しかし、夏休みの間にサマースクールに参加したり、大学のボランティアに参加したり、現地の合気道教室に参加したりして徐々に留学生だけでなくハンガリー人の友達も増やしていくことができました。2セメスター目は対面授業だけを履修したので更にセミナーを通じて様々な学生と関わることができました。
ヨーロッパというと煌びやかなイメージを持っていましたが、社会主義国であった面影を少し残し、政治的にも複雑なハンガリーという国で過ごすことはとても興味深い経験でした。また、ハンガリーで暮らす日本やその他の国からの留学生、また現地で暮らす日本人と出会えたことは自分の人生観の幅を広げ、大きな財産になりました。
私は、2021年8月8日から2022年7月14日までの約1年間、ノルウェーのオスロ大学に留学しました。研究テーマである「日本外交における人権の役割」をより多面的に捉え、より深く理解するために、日本と安全保障環境が類似し、国際社会において平和構築や仲介交渉の面で確固たる地位を築いているノルウェーの外交政策を研究したいと考えたからです。
前期は、「核戦略と国際紛争」と「現代日本史」の授業を受講しました。期末試験のために、ノルウェー人の学生と共に自主的な勉強会を二週間に一度開催するなど対策をたてました。後期は、「法、イデオロギー、人権侵害」と「国際憲法」の授業を受講しました。講義の中心がEUだったため、当初は他のヨーロッパ出身学生との間に歴然とした知識の差がありましたが、教授による個別のフォローアップや、一緒に授業を受けていたフランス人のグループの助けもあり、期末試験までにはしっかりと講義内容を理解できるようになりました。
勉強面以外でも、多くの友人に恵まれ、貴重な経験を積むことができました。前期は、主にフランス人やベルギー人などフランス語圏のグループに所属し、オスロ市内の観光やアクティビティには毎日のように参加しました。外食に加えてクラブやバーでの飲酒などにもほとんど規制がなかったため、友人たちとの仲を容易に深めることができました。また、チェコ人やリトアニア人など中東欧諸国出身学生のグループにも所属し、ノルウェーのベルゲンやトロムソといった観光地を一緒に旅行することができました。
後期は、前期の友人たちがほぼ全員帰国したので、主に南フランス出身学生のグループに所属しました。夏期休暇中には、彼らの案内で、地元のエクス=アン=プロヴァンスやマルセイユを一緒に旅行したほか、マルタにいる友人を訪ねることもできました。また、アムネスティインターナショナルにも所属していたため、様々な国の学生たちと共に、イベントや集会を企画・運営しました。この活動は、英語を用いて本格的な事業を遂行するという初めての経験でしたが、友人たちに支えられて、活動を成功させることができました。
この留学で培った英語力や人脈、知識や経験を今後の進路に活かしたいと思います。