pagetop
HOME法学部の紹介>学部長あいさつ

法学部の紹介

学部長あいさつ

このホームページをご覧になる皆さんは、法学部という場所で学ぶべきかどうか、そして、そのために大阪大学法学部を選ぶべきかについて、真剣に考えているのではないかと思います。学部長として、また一人の研究者、教員として、私なりの考えを述べてみます。

法学部では法学、政治学、経済学が教えられますが、これらはみな、社会を円滑に動かし、人々がより良く共存するための知恵として古くから探究されてきた学問です。たとえば、私たちは明治期に法、政治、経済の仕組み、さらにはこれに関連するさまざまな学問を受け入れましたが、そのルーツは古代ギリシャ・ローマにまでさかのぼります。それらはともに、複数の人間が共存しながら生きていくための実践的な知恵の結晶であると言うことができます。それと同時に、新たな社会情勢や歴史の変化から挑戦をうけ、その姿を刻々と変化させてきたことも重要です。このように法学、政治学、経済学という社会科学諸学問分野は、複数の共存という人類の普遍的な在りようを見据えながら、時代が求める新たな変化にも柔軟に対応してきました。

本学部には、こうした社会科学の根本、そしてその最先端を深く研究するスタッフが多数揃っています。きっと皆さんの知的好奇心と勉学意欲に応えてくれるものと思います。

大阪大学法学部は、法文学部法学科として1948年に教育を開始してから、一昨年9月に70周年を迎えました。実は、いわゆる帝国大学の後身となる組織としては比較的若い学部です。それだけにフットワークも軽く、その時々の社会の動向をとらえる先進的な試みを行い、現代的な科目を伝統的な諸分野と並んで開講してきました。例えば専任教員による「知的財産法」「環境法」や法曹実務家による「ロイヤリング(紛争処理)」などの科目を他に先駆けて開講してきました。昨年度は「AIをめぐる法学の最前線」に関するシンポジウムを開催し好評を博しましたが、今後も新しい社会動向をとらえる教育を展開してゆく予定です。

教育組織として近年の特筆すべき出来事は、2008年に国際公共政策学科を設置したことです。法学科では、法学、政治学に重点を置いた伝統的な教育カリキュラムを用意しているのに対し、国際公共政策学科では、法学、政治学、経済学の基礎をバランスよく身につけ、英語を駆使し、それらを実務に生かす人材を育成します。もちろん、どちらの学科でも、教養科目や外国語科目等を全学共通教育科目として学び、広い視野を備えることが前提となります。さらに2020年からは法曹コースを設け、早期卒業とあわせて従来よりも短期間で法曹への道を歩むことが出来るようになりました。

大阪大学法学部はその長い歴史のなかで、法曹界、実業界、学界、行政諸部門等々に、数多くの先輩たちを送り出してきました。本学部で学んだ先輩たちは、卒業生となってからも、その広汎な人的ネットワークに支えられながら、様々なセクターで活躍し、この社会を支える重要な礎となっています。

大阪大学は、全体の目標として「教養」、「デザイン力」、「国際性」を備えた人材の育成をうたっています。法学部ではこれに加え、法学科・国際公共政策学科の2学科体制により多様な専門教育機会を整備し、充実した少人数教育とあいまって、高度な専門性、総合的な判断力と構想力、それらを実践に生かす能力を身につけ、グローバルに活躍できるための教育機会を提供してゆきます。

昨年来の新型コロナウィルスの感染拡大に直面した現代世界においては、デジタル化など急速な社会変化とともにに社会問題なども露わになっています。このような時こそ、是非ともここ大阪大学法学部で専門的で総合的な観点から現代の諸問題に正面から取り組んで欲しいと思います。

大阪大学法学部長 瀧口 剛