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ゼミの魅力

的場ゼミ[西洋法制史]-的場かおり 教授-

的場ゼミは、西洋法制史を扱っています。法制史とは、歴史上の法制度や裁判事例を手掛かりに、現在の法律や制度への理解を深める学問です。ゼミでは、各班が西洋史上の裁判事例などをひとつ選んで調査し、ゼミ生全員で深堀りしていきます。

ゼミは大きく分けて、裁判事例の調査・報告とその事例に関連して関心をもった事項の調査・報告の2段階で行われます。例えば、第2次産業革命に際して19世紀末のドイツで起こった「電気窃盗」の事例では、「法の欠缺(適用すべき法規がないこと)」の問題を取り扱いました。第1段階ではこの裁判に関する調査・報告を行います。当時のドイツ法では、電気は窃盗・横領罪の客体となり得ませんでした。そこで、この裁判を契機に様々な論争が勃発し、電気に関する立法がなされることになります。では、近代以降ドイツの法制度の影響を受けた日本は、電気の法的扱いに関しどのような変遷を辿ってきたのでしょうか。このような関心をもって独自に調査し、報告するのが第2段階です。2つの段階を踏むことで、文献から読み取れる「法制史」を手掛かりに現在の法制度への理解を深め、そして法制度の今後について考える姿勢を身に付けることができます。

主体的に調査と報告を行うことも大切ですが、客観的な視点を取り入れることも重要です。報告の後には質疑応答と議論の時間が設けられており、ゼミのみんなで内容を発展させていきます。文献調査や資料作成、プレゼンテーションスキルなどの大学生に求められる基礎的能力を鍛えるだけでなく、いろんな視点をもつ仲間と議論できるのも本ゼミの特徴です。自身の関心に基づく探究は視野狭窄になりがちですが、新たな視点からの指摘でより広く、深い探究が可能になります。このような経験は、ゼミだからこそできるものです。

知的好奇心の赴くままに探究をしてみたい方はぜひ的場ゼミにいらしてください。皆さんと学べることを楽しみにしています。

法学科4年生 A.S.