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法学科で学ぶ

教員からのメッセージ

法を通して、異なる社会・文化との架け橋になる

法を学ぼうとするときには、ある特定の1つの国の法を学ぶのが一般的です。日本に住むみなさんが日本の法を学ぶのは当然でしょう。法を学ぶと、その法の適用される社会の構造や、その社会の中で理想や常識とされていることが理解できるようになります。というのも、法は、人間の行動を規律する社会規範のひとつであり、特定の社会の思惟の産物であるため、当該社会で通用している価値観や道徳観を反映しているからです。法を学ぶことは社会を学ぶこと、「社会あるところ法あり」という法諺はまさにこのことを表しています。もっとも、社会は1つではありません。社会の数だけ法があり、社会の多様性に応じて法もまた多様です。また、社会は互いに孤立しているわけではなく、昔から、異なる地域や異なる社会に属する人々が交流してきました。情報・通信・交通技術の発達している現代において、人やモノの国境を越えた交流はますます盛んになっています。「郷に入れば郷に従え」という諺を極端に押し進め、自分の社会(国)の法のみが正しいと考えてしまうと、他の社会(国)の人と安心して交流できなくなってしまいます。そうならないためには、自分の社会(国)以外の法を学んで、他の社会の文化や考え方を深く理解する必要があります。

大阪大学法学部に入学すると、まずは、憲法・民法・刑法といったさまざまな分野について、日本の法を学び、基礎的な知識を身につけます。そのうえで、国境を越えた人々の関係から生じる私的な紛争の解決を考える国際私法、国家間の関係を規律する国際法、日本の法を相対化するうえで重要な視点を提供してくれる比較法・外国法(中国法、英米法等)を勉強することができます。また、現代の日本の法がどのように発展してきたか、外国法(特に西洋の法)からどのような影響を受けているか等を学ぶこともできます。さらには、大阪大学法学部では、日本人学生とともに外国人留学生も学んでいます。外国人留学生との交流は、それぞれの国の法律や文化について意見交換する絶好の機会ですし、本学と交流協定を結んでいる外国の大学に交換留学に行くこともできます。国際的な環境の中で、みなさんがローカル及びグローバルな問題について議論・思考し、いろいろなことに積極的にチャレンジして、法を通して多様な文化との架け橋になっていくことを願っています。

法学科 エルバルティ・ベリーグ 准教授