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Handai Law Letter 第7号

研究科長による活動報告(法学研究科・高等司法研究科)

  • 法学研究科長御報告

    法学研究科長 林 智良

    本年度より竹中浩教授の後任として法学研究科長・法学部長に就任致しました林智良と申します。どうぞ宜しくお願い申し上げます。本年も、日本の国立大学には諸方面から波が押し寄せており、大阪大学も対応を求められております。そこで、西尾章治郎総長の掲げる、多面的に開かれた「OUビジョン2021」構想のもとで、スーパーグローバル大学としての環境整備、学部での新たな世界適塾入試の実施をはじめ、指定国立大学(仮称)への応募準備など、変革への努力をつくしています。

    そのような情勢下で就任した新米研究科長ですが、まず他大学の経験から学ばせていただこうと、この夏に名古屋大学、北海道大学、京都大学、九州大学の各法学研究科(院)執行部を両副研究科長と歴訪し、法学政治学の教育研究体制について意見交換をお願い致しました。

    ローマ法史研究者としては、彼の国の先学が自らの出発点たる法学的思考基盤を無にすることなく、小都市国家から大帝国に至る各時代に適応した法制度を設計した知恵を想起しますが、組織担当者としてはまず現在の汗をかきたいと思います。どうか今後ともご支援をお願い申し上げます。

  • 法科大学院の強みを前面に

    高等司法研究科長 下村 眞美

    司法試験合格者数全体が267人減る中で、高等司法研究科は、昨年度並みの合格率を維持しました。本研究科の理念に沿って修了生みなさんが努力された結果であり、研究科としてありがたく思っています。他方、本年度の予備試験合格者は、405人となり、法科大学院の志望者減少を心配しています。しかし、司法試験は通過点に過ぎません。その先を見据えての勉強こそが必要で、その機会を与えられるのは、法科大学院であると考えています。司法修習が1年間に短縮されているので、なおさらです。

    本研究科では、法学部との連携によって、法学部の優秀な学生が法曹や研究者になるための期間を短縮できる「早期卒業」制度が平成29年度法学部入学者から適用されることとなりました。本研究科の教員が法学部生を早い段階から指導する体制も整ってきました。法曹の魅力を伝えて、志望者の増加に結びつけてゆきます。このような取組を含めて、一昨年度、昨年度に続き、本年度も「法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム」に教育の質の改善を図る取組を文部科学省に提出し、優れたものと評価されました。今後は、さらに修了後の法曹像を見据えた取組を強化して、多くの法曹の養成に努めたいと思います。