Handai Law Letter

第6号 2016年3月1日発行

退職にあたって ご挨拶

高等司法研究科 松川 正毅 教授

 阪大を去るにあたって、歩んで来た道を思い起こせば、すばらしい環境の中に身をおいていたのだとしみじみと感じます。研究、教育、行政。阪大では、どれもが真剣で、常に改革が行われています。今よりもさらに良くしようという意気込みが随所に感じられます。この張りつめた空気は阪大の基礎となる大切な財産です。

 研究に関しては、思う存分没頭しました。限られた時間の中での作業は、楽しくもあり、また充実感も味わえたと思います。同じリズムでの研究は、もはや繰り返すことはできないと思います。私の研究のスピードは遅く、いつも成果らしきものが見えて来た頃には、すでに前提となっていた社会が大きく変わろうとしていました。

 教育も楽しかったです。研究と教育が連動している喜びを味わうことができました。LSでは、それに加えて、国家試験合格のために効率の良い学習の要素が入ってきましたので、軌道修正が多く必要でした。研究者を目指す者や法曹をめざす学生の育成には、特に力を入れました。私の学問的経験を伝えるように努めましたが、あたらしい力となって成長していってくれればと願っています。学生に法的思考力が備わってくるのを感じるという、うれしさを味わいました。

 きっといつまでも残る私の宝は、学生達と、そして私を取り巻く教職員との人間的な触れ合いのような気がします。友情、尊敬、信頼そして連帯感(solidarité)を感じさせる、このような出会いを一杯与えてくれた阪大に心から感謝致します。

 



法学研究科 砂原 庸介 准教授

 このたび二年半という非常に短い期間での退職となりましたが、本学にてさまざまな新たな経験をさせていただいたことを感謝申し上げます。なかでも、もともと行政学を担当していた私が、より広い政治学原論を担当することを通じて、これまで不足していた分野の勉強を重ねることで、授業に活かすだけではなく、私自身の研究を深めるきっかけにもなったと思います。その成果を共著の教科書として出版できたことは、かすかではありますが本学での経験をかたちにできたということでうれしく感じております。

 また、在籍中に、新たに都市や住宅の問題についての研究を開始することができましたが、この成果もいつかかたちにすることで、本学でのご厚情に対するお応えとしたいと考えております。

 能力が足りず、ほとんど本学に対して貢献もないままに離任するのは忸怩たる思いがありますが、法学研究科・高等司法研究科とみなさまの今後のますますのご発展をお祈り申し上げております。ひきつづきご指導・ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願いいたします。