Handai Law Letter 第5号
スーパーグローバル大学にふさわしい法学研究科をめざす
法学研究科長 竹中 浩
現在、日本の国立大学は荒波に揉まれています。平成28年度から始まる第3期中期目標期間においては、グローバル化とイノベーションという時代の要請に応えるため、財務面で、またガバナンスにおいて、抜本的な改革を行うことが予定されています。
このたび、大阪大学は文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」においてトップ型に採択されました。10年後は、世界を目指す研究型総合大学としてのカラーをいっそう強く打ち出していることでしょう。法学研究科も、研究型総合大学のなかの法学系教育研究機関として、伝統的なスタイルの活動から脱皮し、日本の法と政策についての研究成果をグローバルな文脈において位置づけ、国際的に通用する言葉で発信するようになっているはずです。外国籍の学生の比率もいっそう高まっているものと思われます。
東アジアだけでなく、広範な地域から多くの優秀な学生を集めるためには、高い研究水準を維持することが必要です。それとともに、厳しい環境のなかにあって、日本の大学の大きな魅力である自由でのびやかな雰囲気を守っていくことも、日本の大学人に課せられた大切な使命であると言うことができるでしょう。
10年後の研究科の姿を思い描きながら、私たちは、日々の課題に向き合い、一歩一歩着実な歩みを続けていきたいと考えています。
「新たな10年」を踏み出して
高等司法研究科長 三阪 佳弘
2004年に設立された高等司法研究科は、今年度、「新たな10年」を踏み出しました。そしてその第一歩を、修了生のみなさんの、抜群の司法試験実績が、華々しいものにしてくれました。研究科として、そのことにまず感謝したいと思います。
と同時に、本研究科は、この成果に安住することなく、さらに攻めの姿勢で「平成26年度法科大学院公的支援見直し加算プログラム報告書」に取り組みました。この取り組みは、法学研究科とのよりいっそう密な連携を基礎に、大阪大学ならではの法科大学院、「プラスS」によるOU’s LSへの更なる進化を図ることがねらいです。
おりしも、本学は、「GLOBAL UNIVERSITY『世界適塾』」構想によって、スーパーグローバル大学に採択されました。法科大学院もまた、キャリアデザインのグローバル化を求める法曹界からの要請に直面しています。その意味で、全学の動きは、本研究科にとって、輩出する人材の「質」が厳しく問われる「新たな10年」において進むべき方向を示しています。
高等司法研究科は、こうした方向性を具体化すべく、今後とも、さらなる進化を不断に目指します。