Handai Law Letter

第4号 2014年3月1日発行

高等司法研究科の活動

法科大学院制度の見直しの動きについて

 2013年4月、中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会は、①入学者の質と多様性の確保②修了者の質の保証③教育体制の充実④質を重視した評価システムの構築、を求める報告書を公表しました。また、法務省に設置された法曹養成制度検討会議が6月に法科大学院の在り方にとどまらず、司法試験、司法修習、法曹の継続教育にまで及ぶ改革の必要性を指摘する報告書を公表し、首相官邸に法曹養成制度関係閣僚会議、法曹養成制度推進会議が設置され、11月には文部科学省が改革への取り組み状況に応じて公的支援を増減する方針を示すなど、制度の見直しに向けた動きが急ピッチで進められています。質の高い法曹を一定数社会に送り出すという使命を果たすことができない法科大学院は、その存続を許されないという厳しい状況にあります。高等司法研究科は、幸いなことに定員不充足や司法試験合格率の低迷などの問題を抱えているわけではありませんが、この危機的状況の下で、以下のような取り組みを通じて法科大学院としての存在意義を内外にアピールすることに努めています。

FD活動の深化

 高等司法研究科では、授業改善アンケート、授業見学会、FD講演会など、教育の質を高めるための様々な取り組みを行ってきました。今年度は、これらに加えて、他大学の法科大学院教員を招いた模擬授業形式の企画を行いました。お招きしたのは、慶應義塾大学の小山剛教授(憲法)、立教大学の松井秀征教授(商法)です。模擬授業は、受講生に予習を求めたうえで双方向型の授業を行っていただき、それを本研究科の教員が見学する、という方法で行ないました。この企画は、本研究科の教員が授業の参観とその後の講師の先生を交えた意見交換により、教育の質を高めるための示唆を得ただけでなく、学生が他大学の評判の高い先生方の授業を体験するという意味も持ちました。

「阪大ロースクールの挑戦」シリーズ講演会

 逆境は更なる飛躍のチャンス、という考え方で、従来のALEC講演会に加えて今年度取り組んだのが、「阪大ロースクールの挑戦 今こそチャンスシリーズ」と銘打った講演会です。第一弾の7月28日の講演会では、泉房穂明石市長と和歌山市職員の常谷麻子弁護士(本学法学部OG)を講師に招き、その後パネルディスカッションを行いました(写真)。第二弾の11月29日の講演会は、組織内弁護士として活躍されている若手弁護士5人によるパネルトーク形式で行ないました(この企画は、大阪弁護士会業務改革委員会・日本組織内弁護士協会(JILA)関西支部の協力により実現したものです)。いずれも、法曹の職域拡大という課題に本研究科として取り組み、在学生、修了生に法曹としてのキャリアについて考えてもらうためのものです。別項で紹介している「智適塾」の取り組みも、法曹になってからの継続教育と大学内の法務支援を内容とするもので、法曹の職域拡大の取り組みの一環と言えます。

認証評価受審

 今年度は、5年に一度の法科大学院認証評価の年でした。前回の評価で適合の認証を受けていますので、今回は効率的な準備に努めました。評価結果が出るのは今年度末ですが、自己評価の過程で発見した問題点や、書面調査、訪問調査の際に指摘された事項については、評価結果を待たずに改善に取り組んでおり、研究科としてのPDCAサイクルの中に認証評価制度を組み込むことができていると自負しているところです。