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Handai Law Letter 第3号

高等司法研究科

法科大学院としての高等司法研究科の一年間の総括は、9月の司法試験の合格発表に否が応でも示されます。今年度に関しては、177名が受験し、最終的には74名が合格しました。最終合格率で全国第6位、合格者数で第8位となり、近年では最高の成績をおさめることができました。

まずこの点に関する二つの取り組みを紹介することにします。 昨年度から今年度にかけて特筆すべき第一の点は、研究科としてのFD研究の深まりです。FD・教育企画委員会は、一橋大学及び千葉大学各法科大学院の先進的な取り組みを見学し、相互の意見交換を通じて、本研究科の到達点とさらなる改善点を明らかにする調査研究を行いました。また、3年前から定時の木曜オフィスアワーを通じて学習サポートを行ってきましたが、昨年2学期から、法律基本科目担当者の若手教員を中心に、科目横断的な「木曜オフィスアワー番外編」が行われています。これは、正課の講義を学生が復習する際に陥りがちな困難をどのようにサポートするのか、についてのFD開発であり、教員にとっても正課の授業がどの程度吸収消化されているのかを確認する有用な機会ともなっています。これらの試みは、本研究科の教育機能向上に向けた教員の熱意を示すものであり、学生諸君の真摯な学習姿勢と相まって、今年度の司法試験結果を生み出すような良き教育環境を醸成しつつあるともいえましょう。

このように確実に司法試験で結果の出せる教育の確立が見通すことができれば、次に求められるのは、結果の「質」、すなわち社会的に評価されうる修了生を輩出できているかどうかです。第二の取り組みがこの点に関わるものです。本研究科では、今年度も学生に自己のキャリアデザインを意識させるためのキャリア支援後援企画(ALEC企画)を数多く実施しました。司法試験合格のその先を学生に意識させることがその目的です。それはキャリア支援教育FDでもあり、この面でのFD研究を深めることができたことは今年度の大きな収穫です。

また、韓国の忠南大学・嶺南大学との学生間交流の取り組みが昨年度から継続的に行われ、国際的な視点で法曹像の将来を考える視野の広がりも得る機会となりました。

来年度は、本研究科として2回目の法科大学院認証評価を受審します。上記の取り組みも含めた本研究科の最近5年間の教育研究活動が第三者の評価に委ねられることになりますので、最後に評価に関する今年度の取り組みを紹介したいと思います。今年度はまず認証評価受審の際に求められる自己点検評価の作業を行っています。前回の経験を生かして、作業を効率化することを目指しています。また、評価作業の基礎として、研究科内の各委員会が何を課題として、何を実現したのかを目に見えるようにするため、チェックシステムを構築することも今年度の課題としています。これらの取り組みを来年の認証評価に生かしたいと考えています。