Handai Law Letter

第3号 2013年3月1日発行

「還暦」を前にして

法学研究科長 竹中 浩

 法学研究科にとって、2012年はまさにドイツ・イヤーでした。何といってもいちばん大きな出来事は、6月に、高田篤教授が、日独学術交流に功績のあった人に贈られるフィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞を受賞したことです。たいへん名誉ある賞で、多年にわたる同教授の業績が評価されたものです。11月には高等司法研究科と共催で、受賞を記念する講演会を、大阪大学中之島センターの佐治敬三ホールで開催しました。それ以外にも講演会やシンポジウムなど、本研究科が進める日独学術交流において画期となる行事がいくつも行われました。教員の研究はもちろんのこと、学部・研究科の教育にもこの経験を活かしていくことがこれからの課題です。

 2012年3月には、大阪大学と大阪外国語大学の統合を機に設けられた法学部国際公共政策学科が、初めての卒業生を送り出しました。国内では類を見ないユニークな学科で、この学科が出来たことにより、法学科の教育にも多くのプラスの影響が現れています。

 2013年度は、法文学部が発足してから65年、法経学部から法学部が分離して60年の節目の年に当たります。法学研究科は、同じく60年周年を迎える法学部の同窓会(青雲会)とともに、これを祝う行事を2014年の3月に予定しています。同窓会と法学部・法学研究科の強い結びつきは、私たちの大切な財産です。60年を期に、この絆がますます強固になることを願っています。

「必要」は思考言動の母

高等司法研究科長 谷口 勢津夫

 法学研究科と共同で設置し運営する「室」体制が発足して3年近くが経ちました。この間、教職員の努力によって両研究科の連携協力の実が着実に上がってきています。法科大学院を独立研究科として設置した大学では既存の法学研究科との関係で運営が難しいこともあると仄聞しますが、本研究科ではそのような運営上の苦労はほとんど感じません。研究推進室が毎月開催するランチ・ミーティングや各室の運営を通じて両研究科の教職員が意識や情報を共有するようになってきたことが両研究科の連携協力の基盤強化に繋がっていると考えるところです。学生支援室では、同室設置前は本研究科の学生・修了生向けに開催していたALEC講演会等の企画について学部生や法学研究科の院生にも参加を呼びかけ、学習支援やキャリア形成支援を広範かつ積極的に展開しています。

 このように両研究科の運営面での連携協力は順調ですが、少し気がかりなことがあります。ALEC講演会など企画によっては参加者が少ない場合があり、対象者がそのような企画に対して余り「必要」を感じていないのではないかと思われることです。「必要」は思考言動の母であることを肝に銘じ、「必要」を見極める努力を続けたいと考えています。