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Handai Law Letter 第2号

国際交流室の活動

室長 竹中 浩

2011年度は台湾との交流が大きく進展した一年でした。8月には中正大学の学長一行が大阪大学を訪れ、中正大学法学院と法学研究科・高等司法研究科との間で交流協定が締結されました。早速2012年4月に2名の交換留学生が来ることになっています。2010年度に交流協定を締結した政治大学法学院からは既に定期的に交換留学生が来ており、台湾の法学部生の間での、日本で学ぶことに対する関心の高さがうかがわれます。10月には、3月に公文書管理法制に関する法学研究科・高等司法研究科の研究グループが国史館を訪問した際にお世話になった館長の呂芳上教授が来阪され、中之島センターで研究会を行いました。また11月には台湾大学の黄詩淳助理教授がスタッフセミナーのために来訪されました。教授にとっては外国語である日本語で行われた報告・質疑の水準の高さが、日本人を報告者とする研究会に優るとも劣らなかったのは非常に印象的でした。2012年9月からは上川准教授が招聘されて政治大学で日本政治の講義を行います。

2011年度は、韓国との関係では、6月に嶺南大学校ロースクール、翌年1月に忠南大学校ロースクールの、教員・学生から成る訪問団が高等司法研究科を来訪し、授業を参観するなどして交流を深めました。中国との関係では、浙江大学光華法学院との交流が進展しました。2011年2月に同法学院の朱新力副院長一行が法学研究科を訪問し、共同で研究会を実施するとともに、今後の交流について協議しましたが、今年度も法学研究科を中心とする高度法情報発信に関する研究プロジェクトを協力して進めています。この法学院には日本で勉強した経験をもつ教員が多く、実質的な交流が期待できます。東アジアの法学研究において、これまで日本は他の国を指導する立場でしたが、これからは、相互に学び合い、この地域に共通した法的問題をともに考えることがますます重要になっていくでしょう。

東日本大震災の影響で、ヨーロッパの大学との交流が一部滞ったのは残念なことでした。それでも11月にはスウェーデン・ウプサラ大学のベルティル・ヴィーマン教授(税法)、2012年3月にはドイツ・バイロイト大学のオリバー・レプシウス教授(公法学)といった高名な研究者が客員教授として法学研究科に滞在され、本学教員との間で研究交流を行いました。