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Handai Law Letter 第2号

ACTION - 関西の学生による被災地支援活動

法学部4年生 原田 亮

2011年3月11日。東日本大震災発生。テレビに映し出される悲惨な光景を目の当たりにして、何か力になりたい、こうしてはいられない、という思いが募り、個人的に何度かボランティアに行きました。

そこで感じたことは、「このままじゃまずい」ということです。やることはたくさんあるのに、一人では全く進まない。片付けても、片付けても一面瓦礫まみれの光景に無力感を感じていました。さらに、関西に帰ってみてとても衝撃を受けました。酒を飲み、カラオケで遊び、楽しく笑っている光景。被災地と遠く離れた関西では温度差がありました。現地では人手不足なのに、メディアからボランティア自粛要請という情報が流れ、人手は足りているという誤解を与えていました。

そこで、現地で活動するだけでなく、一人ひとりが現地の状況や被災された方の声などを発信することで、関西と被災地で状況を共感し、長期的な支援の流れができればという思いから「ACTION」を立ち上げました。5月末、第1回目として宮城県気仙沼市大島に阪大生100名を派遣し、その後、報告会を積極的に開催し、活動に賛同してくれる支援者も 集めました。今では阪大以外の大学生も運営に協力してくれており、台風12号の被害を受けた和歌山県にも大学生を派遣しています。

今後はただ人を送るだけではなく、大学生だからできる活動にもフォーカスをあてて復興につながる活動をしていければと思っています。

被災地支援のための法的ニーズ調査に参加して

高等司法研究科2年生 中川裕美子

私は、2011年8月22~25日にかけて、法科大学院協会と日本弁護士連合会の共同企画による「被災地支援のための法的ニーズ調査」のボランティア活動に参加しました。このボランティアは、全国の法科大学院生29名が、仙台弁護士会の被災地現地調査に同行するとともに、復興支援委員会の講習指導を受けることによって、被災地の現状と法律問題を把握し、社会に必要とされる法曹としてのマインドを修得することを目的とするものでした。今回、ボランティア活動に参加して、現地で精を尽くす弁護士の先生方の活動を間近で見ることができました。仙台弁護士会の先生方は、二重ローン問題や賃貸住宅トラブル、災害弔慰金などの法律問題に取り組み、現行法では解決できない問題については立法提言をするという活動を行っていました。

東日本大震災は、地方の農漁村地域を中心とした広域にわたる災害である点、地震・津波・原子力災害・風評被害による複合的な災害である点で、これまでの震災とは異なりますが、このような未曾有の災害に対して悲観的になるのではなく、弁護士としてどのような支援ができるのかを真剣に考え行動されている先生方の姿に、非常に感銘を受けました。志が高く、行動力のある全国の法科大学院生と切磋琢磨し合えたことも、私にとってはかけがえのない財産となりました。