Handai Law Letter

第2号 2012年3月1日発行

教育の成果が試される

法学研究科長 中尾敏充

 2011年3月11日に東日本大震災が発生し、多くの犠牲者を出すとともに甚大な被害を受けました。また、それと連動して福島原発事故が発生し、世界的にも重大な問題となりました。被災地の復旧・復興は未だ見通しが立った状況ではありません。福島原発事故についても、今後、電力・エネルギーのあり方をどのようにするのかも含め、根本的な問題が未解決のままです。このような事態になっているのは、「現代社会が直面する問題への即効薬」に関心が向けられ、「長期的なパースペクティブ」で問題の解決を図ることが疎んじられている結果だと考えます。

 

 法学研究科は、「現代科学技術の社会的基盤を成す、法政に関わる賢慮(prudence)の追求」を大学院教育の基本理念としています。従来から研究者養成を重要な柱に掲げ取り組んでいますが、引き続き、この課題に取り組んでいくことが必要です。

 

 法学部国際公共政策学科は、この3月に初めての卒業生を社会に送り出します。この第1期の卒業生たちが10年後、20年後に法学部の基本理念である「良きガバナンス(good governance)」の実現を果たす人材として活躍していることを祈念するものです。

備えよ、常に

高等司法研究科長 谷口勢津夫

 昨年は、大震災、原発事故、豪雨、急激な円高、債務危機など国内外で様々なリスクが顕現した年でした。大学もその例外ではありません。とりわけ法科大学院は、制度発足後8年経ちましたが、制度として安定せず、昨年11月には政府の行政刷新会議で制度の抜本的見直しが提言されたところです。

 高等司法研究科は、Handai Law Letter創刊号にも書きましたが、法学研究科や知的財産センターとの「連携強化」を図りながら、様々な課題に積極的に取り組んできました。その大きな成果の一つがいわゆるダブル専任の解消です。法科大学院設置基準で特例措置として平成25年度まで認められている他研究科・学部との専任教員のダブルカウントを、本年度をもって全面的に解消することにしました。また、「連携強化」の範囲をOB・OGや学外団体にも拡げる取組みを進めてきました。

 今後も、「学生第一主義」と「連携強化」を基本とし、加えて昨年の教訓を活かし「備えよ、常に」の精神でリスクに対応しながら、「教育の質の向上」、「新時代を担う、真のLegal Professionalsの育成」という目標に向かって前向きに研究科の運営に当たってまいります。