Handai Law Letter

創刊号 2011年3月1日発行

新たな協働とHandai Law Letter

法学研究科長 中尾敏充

 法学研究科は、従来から研究者養成を重要な柱に掲げ取り組んできましたが、近年、どの大学においてもその課題は万全に進行せず、深刻な事態を迎えようとしています。これは、「現代社会 が直面する問題への即効薬」に関心が向けられ、「長期的なパースペクティブ」で問題の解決を図ることが疎んじられている結果だと考えます。確かに、スピードある対応が求められる場合もあり ますが、立ち止まってじっくりと「賢慮」することが必要ではないでしょうか。また、法学部の基本理念に「良きガバナンス( goodgovernance )」の実現を目指す人材育成が掲げられています。こ れもそれぞれの分野で自分に与えられた仕事がどのような状態をつくり出せば、「良きガバナンス」となるのか、そのためにどのような準備や人的関係の構築などが必要なのかを理解し実行するこ とではないかと考えます。その意味で、「立ち止まる」ことと「協力する」ことが重要だと思います。

 今年度から、法学研究科は高等司法研究科とさらには知的財産センターとも組織運営上の協力関係を強化すべく、「室」という3部局連携の仕組みをつくりました。「室」による協働体制のもとで、3部局は「法と政治」に関わる教育研究において、また社会貢献の活動や国際交流事業においてさらなる飛躍を目指したいと考えています。Handai Law Letter 創刊号は、まさにそうした私たちの意気込みを示すものとしてご覧頂きたいと思います。

Handai Law Letter の創刊に寄せて

高等司法研究科長 谷口勢津夫

 高等司法研究科は、2004年4月に設置された法科大学院(いわゆるロースクール)です。法科大学院は、従来型の研究大学院ではなく、高度専門職業人の養成を目的とする専門職大学院ですが、その設置形態には、法学部を基礎とする研究大学院の中の「専攻」として設置する場合と、法学部を基礎としない「独立大学院」として設置する場合があります。大阪大学は、後者の設置形態を選択しました。ただ、教員の多くは、それまで法学研究科の教員であった者から構成されたこと等から、両研究科は、形式的には別組織でありながら、実質的には同一組織であるかの如く運営されてきたところもあったように思われます。そのため、両研究科の運営上も教員の意識の上でも戸惑いや混乱があったことも事実です。

 今年度、研究科長に就任するに当たり、中尾法学研究科長と話し合い、前記のような実態を踏まえて両研究科の関係を「連携強化」の方向で整理・合理化するため、共同で「室」を設置することにしました。広報室もその一つであり、Handai Law Letterは目に見えるその成果の一つです。他方、両研究科の教授会を別日程とすることによって授業時間をより多く確保し、「教育の質の向上」のための取組みを展開するようにしました。

 今後も、両研究科の関係を、知的財産センターとも連携し、「成熟した関係」に高めるべく努力を重ねてまいります。