法政実務連携センター/Center for Legal and Political Practice(CLPP) 大阪大学

■ センター長あいさつ

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 本センターは、2001(平成13)年4月に大阪大学大学院法学研究科と学内の関連部局や国内外の大学、行政機関、民間企業や各種団体との連携を強化するために設置されました。本センターは、法学研究科が蓄積してきた法学、政治学の研究成果を社会課題の解決に用いる「実践の場」であっただけでなく、社会からの現実的な要請に応じることでさらに研究を一歩先に押し上げる「知恵の場」でもありました。

 本センターは、発足当初より、国内外の研究者や、官界、産業界、法曹界など各界の実務家が登壇する公開講義やシンポジウムなどを企画・実施するにとどまらず、法曹実務家をお迎えして「ロイヤリング」という科目を開講してきました。また、マッセOSAKA(公益財団法人大阪府市町村振興協会・おおさか市町村職員研修研究センター)と連携して府内市町村の職員を科目履修生として受け入れて研修を行っております。ここ数年は、中央官庁に勤務する職員をお招きして業務説明会や意見交換会も開催しております。おかげで、いまでは心理的に遠くに感じていた各府省でも活躍する卒業生も多く見られます。

 大阪大学としましても、2018年10月に政府より大阪大学が「指定国立大学法人」に指定され、学外との連携は一層加速されることになりました。本学は、社会と共に新たな価値を創造することを目指す理念として「共創(Co-Creation)」を掲げて、新たな知の創出、人材育成、イノベーションの創出を目指しています。本センターも、設立当初より重視してきた活動に加えて、今後は産業界との共同研究や個別企業からの委託研究の受入れなどの橋渡しの役割を担っていくつもりです。

 世界に類を見ないスピードで少子高齢化・人口減少が到来する中、日本は大規模災害に備えながらも、厳しい国際競争にも立ち向かわないといけません。実効性のある環境保護ももちろん大きな課題となっております。社会には未解決の課題が山積しております。他方、人工知能やロボティックス(AI/RPA)、情報コミュニケーション技術(ICT)の進展によって、いままで不可能だったことが可能となるような契機も見えてきました。膨大なデータの解析や「証拠に基づく決定(EBPM)」によって組織運営の合理化も可能になってきております。長時間残業や業務量に見合わない労働力の配置といった働き方を一変させて、性差による役割分担や差別から自由になり、自分らしく生きることができる社会が実現する芽も見えております。

 本センターは、こうした社会的変化の基礎となる研究や教育を行う本研究科の研究者と、社会の皆さまがともに集い、社会変革を構想する「交流の場」として貢献したいと考えております。大学の知と無縁な社会は過去の成功体験と勘がもてはやされる非合理な社会に堕してしまいます。他方で、社会が直面する課題に目を背けた大学も実態のない学問を振りかざすだけの存在に堕してしまうでしょう。

 本センターにぜひとも皆さまのお力添えをお願い申し上げます。

大阪大学大学院法学研究科附属法政実務連携センター長 北村亘

■ 法政実務連携センターとは

 産業、司法、行政等国内外の社会の各界との連携を強化することで、法曹実務家の養成・再教育など高度に専門的な実務教育を推進・拡充するとともに、社会が直面する法学・政治学上の先端的な課題に関する創造的研究を積極的に展開して、社会に貢献するための機関です。

設立

 大学院重点化をきっかけとして、大阪大学大学院法学研究科は、平成11年4月に、国立大学の法学研究科・法学部として初の連携大学院を設置。

 平成13年4月、これらの事業を受け継ぐとともに、さらなる社会との結びつきを図るため、法学研究科の附属施設として法政実務連携センターが設置されました。

 特にアカデミズムの枠にとらわれず、広い視野に立った教育研究を進めていくために、学外の専門家が提供する「知」を大学の中に積極的に取り込み、内外の「知」の融合を目指しています。

特徴

 産業、司法、行政等社会の各界と連携し、最新の社会状況を取り入れた教育手法の開発、実社会に反映できる研究等を推進しています。

 また、大阪大学の創設の頃以来の「実学」の精神に基づき、法曹実務家の担当する講義科目「ロイヤリング」等を他大学に先駆けて開講しています。

大阪大学 所属メンバー