(J.K.フェアバンク、平野・蒲地訳『中国回想録』みすず書房、1994年、8-9ページ)
1.特権的学問としての地域研究
地域研究の特権:
- 外からの研究(→現地研究の特権)
- 実学、戦略研究とのつながりの可能性(危険性)、社会貢献
- 自分だけの地域(誰も知らない対象)
- 全体を捉える楽しみ
好奇心の満足
理論より実証の楽しみ
地域研究「三重苦」「五重苦」説は誤り
- 地域研究に淫する愉悦
2.特権の喪失
1980年代以降
- 誰もが行ける
- 内からの研究の辛さ
- 全体が見えない
- 地域内部からの研究者の登場
3.グローバリゼーション下の、新しい地域研究
学問的課題:全体と部分の関係
基本条件の変化:境界の変質
- 全体性
- 重層性
- 越境性
areaからregionへ
国家単位から地域単位へ
- 個別から普遍へ
ご参考
- 平野健一郎「グローバリゼーション下のアジア・太平洋における社会・文化変容と地域研究」島根県立大学北東アジア地域研究センター『北東アジア研究』第2号(2001年10月)、21-30ページ。
- 平野健一郎「国際文化から見た文化の未来―グローバリゼーションのなかで文化の多様性をどう守るか―」立教大学社会学部『応用社会学研究』No.45(2003年4月)pp.1-8。
- 平野健一郎「アジアにおける地域性の創生―その原因を求めて―」山本武彦編『地域主義の国際比較―アジア太平洋・ヨーロッパ・西半球を中心に』早稲田大学出版部、2005年7月、31-64ページ。
- 平野健一郎「国際移動時代のナショナリズムと文化」日本国際文化学会『インターカルチュラル』第4号(2006年4月刊行予定)。
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