2009115日ロイヤリング議事録

講師:室谷和彦先生

文責:古川真理

 

知的財産権概説

〜知的財産権に関する弁護士の活動を中心として〜

 

 本日は、知的財産権概説ということで、最初に、知的財産権としてどのようなものがあるか、簡単に説明します。正確な知識については、大学の講義で学んでいただくとして、今日は、イメージとして把握いただければと思います。次に、知的財産権に関する弁護士の役割、つまり、知的財産権に関して弁護士がどのような業務を行っているのかについてお話します。この説明にあたり、皆さんがあまり目にしたことがないであろう特許公報について紹介し、実務のイメージをつかんでいただけたらと思います。知的財産に関する弁護士の関わりについては、おそらく皆さんが思っておられるよりもはるかに多岐にわたる内容だと思います。最後に、よくある特許権侵害の事例をもとに、弁護士がどのような対応をするのかについて説明していきたいと思います。

 

第一 知的財産権とは

1 知的財産権は身近なもの

 知的財産について、最近、何かと話題になるので皆さんもある程度はイメージがあるかと思いますが、私が強調したいのは、知的財産は非常に身近なものであるということです。

資料2を見ていただくと携帯電話の例が挙がっていますが、携帯電話は、様々な知的財産権により保護されています。たとえば、液晶技術については特許権、アンテナの収納構造については実用新案権、スマートなデザインについては意匠権、そして、「au」とかシャープとかアクオスとかいろいろなブランドが表示されていますが、これについては商標権により保護されているわけです。

携帯電話だけでなく、皆さんの手元にある物の多くが知的財産権の保護対象になっております。

また、皆さんが大好きな音楽や映画、ゲームなども著作権により保護されています。

そういう意味で知的財産権法は民法などと比べても、身近な法律であるといえます。

 

2 特許制度とは

次に、そもそも特許とはどういう制度であるかについて、よく引き合いに出されるガリレオ・ガリレイの書簡を紹介しながら説明したいと思います。

歴史を遡ること1474年にイタリアで発明者条例が公布されました。そして、1594年には、ガリレオ・ガリレイが「灌漑用農水機械」に関して特許を取得しています。ガリレオ・ガリレイが王に送った特許取得に関する書状に、現在の特許制度にも通じる特許制度の根幹が端的に表れています。参考までに、これを読み上げます。

「陛下よ、私は、非常に簡単に、費用も少ししかかからず、大いに利益のある、水を揚げ耕地に灌水する機械を発明しました。即ち、ただ一頭の馬の力で、機械に附いている二十本の口からひっきりなしに水が出るのです。しかし、私のものであり、非常に骨を折り澤山の費用を使って完成したその発明が誰でもの共有財産となるのは嫌ですから、恭しくお願いいたしますが、同じような場合に陛下の御厚情がどこかの工場のどんな制作者にも御與えになる御恵みを何卒私に御垂れください。即ち、私と私の子孫、或いは私や私の子孫からその権利を得た人々の他は誰も、上記の私の新造機械を製作したり、たとえ作っても、それを使用したり、他の目的のために形を變えて水やその他の材料を用い適用したりすることを、40年間、或いは陛下が思いを召す期間内は許されないように、若しこれを犯す者は陛下が適当と思召す罰金に処し、私がその一部を頂きますように、して頂きたいと存じます。そうして下されば私は社会の福祉のためにもっと熱心に新しい発明に思いを凝らして陛下に忠勤を励みます。」

つまり、特許制度とは、一定期間、発明に関する技術を発明者のみが使用できるとすること、すなわち独占させることで、発明者に利益を得させ、発明者の更なる発明に対する意欲を高め、技術の進歩を図る制度なのです。

 

3 知的財産権の種類

 次に、資料1をご覧ください。知的財産権の種類について図示されております。

(1) 産業財産権

黒塗りになっている、特許権、実用新案権、意匠権、商標権を産業財産権といいます。これらの権利は、特許庁に登録して、権利が発生します。

これに対して、著作権は、登録とは関係なく、創作したときに権利が発生します。例えば、音楽であれば作曲したときに、権利が発生します。

(2) 知的創作物の保護と営業標識の保護

大きく分けて知的財産権は、知的創作物についての権利と営業標識についての権利に分かれています。

特許権、実用新案権、意匠権、著作権などは、知的創作物についての権利です。知的創作をした者に、一定期間その利用を独占させ、ひいては利益を独占させることにより、創作意欲を促進させます。

営業標識の保護というのは、創作物の保護とは全く観点が異なります。営業標識を保護することにより、それを使用する者の信用を保護する制度です。より端的にいえば、ブランドの保護といってもいいでしょう。たとえば、ルイ・ヴィトンを例に挙げますと、そのルイ・ヴィトンのマークが付いていることにより、ルイ・ヴィトンが出所であるということが分かります(出所表示機能)。そして、そのマークが付いていることで、一定の品質を有すると信用します(品質保証機能)。さらに、そのマークが付いているがゆえに、「ルイ・ヴィトンだから買いたい」というように購買意欲が高められわけですが、マークの側から見れば、マークが宣伝広告をしていることになります(広告機能)。ブランドはこうした効果をもたらすのです。このブランドの効果を法的に保護する制度が、主に商標法です。

また、商標権のように登録をしていなくても、一定の周知な表示、著名な表示は不正競争防止法によって保護される場合があります。

このように知的財産権と一口に言っても、全く異なる二つの制度があります。

 

4 保護の重要性

(1)知財立国ジャパン

知的財産の保護が叫ばれるようになったのは、小泉政権の下、2002年の知財立国戦略大綱が制定されたことがきっかけになっています。

資源のない日本では、知的財産権により、国際競争力を上げるべきという方針であり、それは知的創造サイクルを念頭においております。

レジュメ1頁の図をご覧ください。知的創造サイクルについて説明しますと、まず、研究開発をします。これにより、知的創作がなされると、これを特許庁に出願し権利を得ることで保護されます。そして、その権利を活用しコストを回収します。このコスト回収の在り方としては、独占的実施による場合とライセンス収入による場合があります。これにより、利益を得ることができ、その利益を、再度、研究開発に投下するのです。

(2)メーカーは特許権を利用して大きくなった

このサイクルは難しいものでも、目新しいものでもありません。メーカーが利益を得るために、従来から行われてきたシステムです。日本の大企業はこうしたサイクルを利用して発展していきました。たとえば、パナソニック(旧松下電器産業)ですが、松下幸之助さんの二股ソケットや電気あんかの発明が現在のパナソニックの礎になっています。トヨタであれば、豊田佐吉さんが木製自動織機の特許を取得し、それがヒットし、息子さんがその資金力を使って自動車の製造を始め、現在のトヨタがあるのです。

皆さんがご存じのメーカーの大半は、特許権を活用して大きくなったといっても過言ではありません。もちろん、いい物を開発し、その商品がヒットしたから発展したのであり、特許があるから儲かるというわけではありません。しかし、特許権による独占という制度がなかったなら、今の発展にいたるのは難しいということです。

 

第二 知的財産権を巡る主体

1 機関

()特許庁

先ほど案内したとおり、産業財産権については、特許庁に出願し、登録により、権利が発生します。

()文化庁

文化庁については、皆さんあまりなじみがないと思います。音楽などの著作物は創作と同時に権利が発生します。しかし、いつ誰が創作したのかということを立証しづらいので、文化庁に登録してもいいということになっています。また、登録が対抗要件になる場合があるので譲渡等に際して登録をなす場合があります。

去年話題になった小室哲也さんの事件は著作権の二重譲渡に関する事件ですが、文化庁への登録をしておくべきだった事案であると言えます。

()裁判所

知的財産権についての侵害が問題となった場合、裁判所に対し、差止めや損害賠償を求めて訴えます。私人間の知的財産権侵害について、裁判所が判断します。

 

2 弁理士

 弁理士は、もっぱら出願から登録までの特許庁に対する手続きを行います。

資料3(特許出願のフロー図)を見ていただければ分かるように、発明者は発明を行った際にはまず特許出願を行わなければなりません。

審査請求を経た発明については実体審査がなされます。ここで新規性、進歩性、先願といった特許要件が判断されます。

実体審査が行われると、多くの場合、拒絶理由が通知されます。代理人はそれに対して、意見書を提出する、あるいは補正を行います。

拒絶査定がなされた場合は、不服審判を特許庁に対して請求することができます。

 

3 弁護士

弁護士は主に私人間の紛争に際して登場します。AとBという紛争の当事者の代理人として訴訟を行ったり、警告をしたり、AとBの間のライセンス交渉の契約書作成を行ったりします。つまり、弁護士が知財に関して登場する場面は、主に、侵害などのトラブル処理とトラブル回避のためのライセンス交渉及び契約書作りになります。

 

4 特許公報を読んでみる

弁護士の仕事を詳しく見ていく前に特許公報を読んでみましょう。資料4をご覧ください。

最初のところには、登録番号や主体などの表示があります。もっとも、特許公報に特許権者として記載されている場合でも真の特許権者でない場合があります。譲渡がされている場合等があるので、不動産の登記簿と同様、登録原簿を確認する必要があります。

次に、「特許請求の範囲」について記載がありますが、これは、権利の範囲を特定するものです。この公報では、一つ目の請求項が一番広く、二つ目の請求項以下はそれを限定していく形で記されています。特許権侵害とは実施している発明が特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に属する場合を指します。つまり、特許請求の範囲をどのように記載するかで侵害となるか否かが決まるため、特許請求の範囲の記載はとても重要になります。

次に、「発明の詳細な説明」について記載がありますが、これは、「産業上の利用分野」、「従来の技術」、「発明が解決しようとする課題」、「課題を解決する手段」という順で記載されています。

その次には、「実施例」が記載されています。実際に公報を見るときには、図面を見ながら実施例を読んでいくとイメージがつかみやすいです。具体的なものから理解し、その上で抽象的なものを理解していく方が、能率的です。ですから、特許請求の範囲、いわゆるクレームは最後に読むのが通常です。

 

5 文系でもわかる

特許発明は理系の分野のものであり、文系には分かりにくいものと思われている方もいるかと思います。しかし、そんなに難しい技術に出会うことはそれほどありません。用語が聞き慣れないので、難しいと思ってしまうだけです。

もちろん、有機化学などは分かりにくいでしょうが、機械分野などは、文系の方であっても十分理解することができます。文系だからといって、臆することはありません。

 

第三 知的財産権に関する弁護士の役割

 知的財産権に関する弁護士の役割としては、大まかに分けると技術系、デザイン系、表示系に分けることができます。

1 技術系

技術系としては、特許と実用新案がありますが、実用新案に関しては、最近は、あまり用いられていません。なぜかというと、権利行使する際に実用新案技術評価書を提示することが必要なのですが、無効の評価がなされることが多いので、結局権利行使が行えないからです。そのため、最近は、あまり出願されていないのが現状です。

したがって、実際には、技術系といえば、ほとんど特許の話になります。

@特許権等侵害の場面

甲社がA特許を有しており、乙社がA特許を侵害すると疑いのあるB製品を販売しているとします。

甲社の担当弁護士の立場に立つと、乙社に対して警告を内容証明郵便で行い、B製品の販売差止と在庫の廃棄、そして、損害賠償を請求します。

そうすると、乙社からA特許は無効であるといった反論や、そもそもB製品はA特許の技術的範囲に属さないという反論がなされ、交渉が始まるということになります。

大阪で争われる侵害訴訟は年間約120件にすぎませんが、それは交渉によって多く(印象としては8割程度)の事件が解決しているからです。なぜ、特許権侵害について訴訟になりにくいかというと、原告勝訴の可能性が低いこと、特許庁に相手から無効審判がなされ2つの手続きが並行することが多く非常に労力がかかること、そして、大変な労力のかかる訴訟なので、弁護士費用も高額となることが理由としてあげられます。このようなことから、費用と効果の面から考えて交渉で手を打つことが多いのが実状です。

警告書を打たれた乙社からすると、負けそうであれば示談を進めることになります。他方、特許が無効になる、あるいは、技術的範囲に属さないと自信を持っている場合には、訴訟を受けて立つことが多くなります。

そのため、侵害訴訟が実際に行われる場合というのは、もともと、被告(乙)が勝つ自信を持っている場合であり、実際にも、原告の勝訴率は50パーセントにも及びません。これは、通常の民事訴訟の原告勝訴率が90パーセント程度であるのと大きく異なります。

A無効審判・審決取消訴訟

侵害訴訟が提起された場合、相手方の弁護士は対抗手段として特許無効審判を請求してくる場合があります。この場合、侵害訴訟と無効審判とが並行して争われることになります。無効審判において、無効審決がなされると、特許権者、先の例では甲社は、この無効審判の取り消しを求めて知財高裁に審決取消訴訟を訴えます。請求不成立(有効との判断)の審決がなされると、乙社は、審決取消訴訟を訴えます。

弁護士は特許無効審判、審決取消訴訟、侵害訴訟を並行して担当することになります。

現在、無効審判から審決取消訴訟というコースと侵害訴訟というコースの両方で、特許の無効が争われ、これをダブルトラックと呼んでいますが、様々な問題が生じています。特に、特許庁の判断と裁判所の判断が異なる場合には、両当事者とも納得がいきませんし、紛争が激化してしまいます。

先ほど述べた知財訴訟において請求棄却審決が多い一つの理由は、侵害訴訟と無効審判のどちらでも勝たなければ、請求が認められない点にもあるといえます。

Bライセンス契約作成・締結代理

ライセンス契約の契約書案を作成したり、契約締結の代理人を行ったりすることも、弁護士の重要な業務です。

もっとも、日本の大企業では、知財部がライセンス交渉を行うことも多くあります。その場合、弁護士は裏方としてチェックすることになります。電機メーカーなどは、特許がたくさんありますので、多数の特許についてクロスライセンスにより処理することも少なくありません。

これに対して、外国企業の場合には、弁護士がライセンス契約書を作成するのが必須です。弁護士以外の者が契約書を作成するなど、念頭にありません。しかも、細かいことまで契約で取り決めることが多く、数10ページの契約書(しかも、英文)になり、弁護士としても、ライセンス契約の作成は、大変な作業となります。

Cベンチャー支援

技術者が発明をしました。これから、この技術でベンチャー企業として頑張っていきたいという場合の相談もあります。この場合、相談内容は多岐にわたります。

必要に応じて、出願に関すること、会社設立に関すること、販売店・代理店契約(この契約しだいで商品の売れ行きが変わるので非常に重要)、商品名・商標・広告にいたるまで幅広くアドバイスを行います。

こうしたベンチャー支援というのは弁護士の仕事として希望に溢れ、夢のある仕事であると言えますが、なかなかうまくいかないというのが実際です。何より、資金ぐりが難しいのです。

D職務発明関係

これに関しては、有名な青色発光ダイオードの事件があります。

中村教授が、日亜化学で青色発光ダイオードの研究を行い、発明をなし、日亜化学が特許権を得て、今、順調に営業しているわけです。

一審では相当対価額が200億円と判示されました。控訴審において6億円(遅延損害金を含め約8億円)で和解がなされました。実務感覚からすると、1審の判決は非常識だと思います。10数億でよかったのではないかと思います。

この判決が出たころ、たくさんの職務発明の訴訟が提起され、また、相談もたくさんありました。もっとも、青色発光ダイオードほどの大特許はまれで、実際の相談では、発明者が思うほど相当対価額は高くならないのが実情です。

 

2 意匠等に関する業務

(1)意匠すなわちデザインに関する業務としては、意匠権侵害の事案について、相談・交渉・訴訟があります。相談・交渉・相談の流れは、概ね特許の場合と同様です。

 意匠の事件では、紛争の対象自体が低額であるため、特許以上に訴訟になることは少なく、交渉でまとまることが多くなります。

(2)意匠登録をしていない場合でも、形態を模倣されたとして、不正競争防止法で差止め・損害賠償を請求することができる場合があります。但し、3年の期間制限があります。

 

3 商標等に関する業務

(1)商標に関する業務としては、商標権侵害に関する相談・交渉・訴訟が主な業務です。

商標についても、商標登録がない場合でも、不正競争防止法2条1項1号または2号により保護される場合があります。

(2)また、商標ライセンスについても、弁護士が関わりますが、この商標ライセンスに関する契約というのは、多種多様です。皆さんが思いもよらないところにも商標権のライセンスというのは関係してきます。

フランチャイズ契約などもその一例です。フランチャイズ契約は、商標ライセンスと継続的商品供給契約からなります。

また、代理店契約も商標権と密接に関係しています。継続的契約+一定の範囲内での商標の使用契約が代理店契約になります。

(3)商標については相談の内容も多岐にわたります。

特に、広告の内容や方法についての相談が多いわけですが、商標の使用にあたるかという点に関してたびたび問題が起こります。たとえば、新聞の折り込み広告において、キティちゃんのマグカップの写真を掲載したとします。これは、サンリオから仕入れた商品であったとします。この折り込み広告にキティちゃんのイラストを小さく掲載したとします。キティちゃんの顔は著作権で保護されると同時に、商標登録もされているので商標権も問題になります。折り込み広告へのキティちゃんの掲載が、その使用態様により、商標的使用にあたったりあたらなかったりするので、商標権侵害になるかならないかを確認するため、相談に来るわけです。

商品パッケージのデザインや懸賞品のネーミングなども、相談の対象となりますが、これらの相談も商標権関係なのです。

 

4 営業秘密

営業秘密に関する相談は多いのですがパターンは決まっています。

甲会社を従業員Aが退職した後に、甲会社と競業する乙会社を新たに立ち上げ、元従業員Aが、甲会社の顧客名簿を用い乙会社の営業を行い、顧客を奪ったという事案です。

甲会社としては、売上げが激減したので、調べてみると、元従業員Aが作った会社に顧客を持っていかれて、激怒して相談に来るわけです。

このような場合、顧客名簿は営業秘密であるとして、Aおよび乙社の行為は不正競争防止法違反であるとして、差止め及び損害賠償を求めます。この種の訴訟は、頻発しておりますが、多くは請求棄却となっております。

営業秘密として保護されるためには、秘密管理性、有益性、非公知性という3要件が必要ですが、秘密管理性が認められないことが多いのです。

 

5 著作権

写真、イラスト、プログラムなどをめぐって著作権に関しては相談が多数あります。IT関係に関し、プログラムのみならず、デジタルコンテンツをめぐる著作権の争いは多岐に渡ります。

こうした著作権についての紛争は、実際に損害額を算定してみると意外に経済的利益が小さく、著作者の泣き寝入りとなる場合が多いです。

よく考えてみると、たとえば、音楽について、特許のように独占して他人の利用を禁止すると、演奏してはいけない、歌ってもいけない、レコードを売るな、ということになります。しかし、音楽を作曲した人は、多くの人に聞いてもらって、レコードが売れて、対価を得ることを望むわけです。つまり、禁止・禁止といっても仕方ないのです。

そのため、音楽にしても、絵画・イラスト・写真にしても、差止めを求めることには躊躇せざるをえないのです。

 

第四 ケーススタディ

 レジュメ3頁以下に記載のとおり。

 

第五 最後に

一般民事では、紛争は過去の精算であり、将来に向かうことがらではありません。これに対して、知財事件は、これから先どうしていくかという将来のことを検討する必要があります。また、技術、営業、経営という多岐にわたる観点での検討が必要になります。

このようなことから、知財を専門とする弁護士は、紛争解決のために働くというよりは、技術担当者、営業担当者、経営者、さらには弁理士などをうまく調整しながら仕事を進める必要があり、いわばディレクター的な、統合的にまとめていく役割を期待されているといえます。

最後に、大阪で知財を扱っている弁護士は、非常に少ないのが現状です。ですから皆さんも知財に興味を持たれたら、やりがいのあるおもしろい仕事ですので是非志望してみてください。

以上